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「うん。」
ククルはつま先立ちして、ヒメの頬に触れる。
「でも、これは必要なことだわ。」
これからヒメの為すべきことを考えれば、戦闘の経験は必要なことだった。
「うん、そうだよ。」
よく分かってるじゃないか、さすが僕の主だ。
ククルはニッコリ笑うと、ヒメの涙をぬぐう。
端で聞いているシリウスとキキには、2人の会話の意味は分からない。
だが、ヒメが何かを心に秘めていることは伝わっていた。
「だとしてもだ、人の主従関係に口を出すわけではないが、主はちゃんと護ってやれ。」
シリウスがククルに釘を刺す。
「何言ってるのさ、姫の力を信頼してこその主従関係じゃないか。」
は~やれやれ。
ピキ、とシリウスの額にある血管が盛り上がった。
俺の生徒を危険に晒すなコノヤロウ、と銀の瞳が険しさを増す。
「それに姫を護るのは王子って相場が決まってるんだよ。
僕は王子って柄じゃないから、その役はシリウスに任せるよ。」
じゃ、ヨロシク!
言いたいだけ言うと、ククルは勝手に消えてしまった。
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