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「・・・とりあえず、ここを出るぞ。」
シリウスは、ヒメとキキを出入口に促した。
「あ、ヒメちゃーん!」
決闘場を出ると、ミーアとタクトがヒメを待っていた。
キキはというと、誰ともなく「じゃ。」とだけ言って立ち去ってしまった。
「お前たち丁度良い、寮に案内してやれ。」
シリウスがミーアたちにヒメの案内を頼む。
それから、
「ちゃんと食べてから寝ろよ。」
ヒメの頭にポン、と手を置くと、教員棟の方角へ去って行った。
「あれ、ヒメちゃん、昨日は寮じゃなかったの?」
ミーアの問いかけに「うん。」とだけ返す。
幸いというべきか、宿屋に泊まったのかな、等と勝手に解釈してくれたらしく、突っ込んで訊かれることはなかった。
初めて見る学園寮は、町の宿屋とは比べ物にならない程立派な石造りの建物だった。
過半数の生徒が利用するだけあり、建物の規模も教室棟と同じくらいある。
「ヒメちゃん、引っ越しのお手伝いするから、部屋にあがっても良い?」
期待に満ちた目のミーア。
自宅から通っているミーアは、寮の中がどうなっているのか興味があるらしい。
これからギルドに行くというタクトと別れ、2人で寮へと入った。
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