第5話

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寮の管理人は、正確には人ではなかった。 土塊から造られたゴーレムである。 複雑な魔方陣を定着させることにより、寮の管理を行えるだけのスキルを身につけさせているらしい。 ゴーレムなだけあって、24時間対応してくれるのが利点だ。 「キミハ、808ゴウシツ。」 部屋に入る際の認証に使用する声紋等をとられた後、ゴーレム管理人から部屋を告げられた。 上のフロアへは転移魔方陣を使って移動する。 ガチャ。 「・・・おお。」 思わず漏れる(ミーアの)感嘆の声。 ヒメの部屋は、リビング兼ダイニングのほか個室が1つ、キッチン、シャワー室、トイレで形成され、独り暮らしには充分過ぎるほどの広さがあった。 個室のドアを開けると、勉強机とベッド、クローゼットが据え置いてあった。 リビングにはテーブルと椅子があるだけなので、ガランとしている。 「さて隊長!何から手伝いましょうか!」 手伝う気満々のミーア。 「それが・・・。」 荷造りするほどの荷物はないこと、もてなす用意もないことを伝えると、「天然ヒメちゃんだものね。」と変な納得をして、「じゃぁ食堂に行こうよ!気になってたの!」と寮の食堂に誘われた。
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