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「それから某ファンクラブはお通夜状態が続いていて、辛気臭いことこの上ない。」
「・・・はぁ・・・。」
ファンクラブが何なのかよく分からないながらも、流されるように相槌(あいづち)を打つ。
「某魔力盗聴同好会の中には、休学者の居所を突き止めて一攫千金を得ようと、授業をサボる者も出ているし。」
まあ、俺の授業をサボる奴はいないがな。
「・・・はぁ・・・。」
「とにかく、何かと支障が出ている。
―というわけで、復学だ。」
空間ボックスを開くと、1枚の紙を取り出す。
テーブルの上に置くと、スッとヒメの方へ滑らせる。
覗き込めば、『キルゴール学園に通うことを認める』という文字が目に入る。
更に、セラフィールド国王のサイン。
「陛下が復学を認めてくださった。・・・王族であることは伏せることになるが。」
「お父さまが・・・。」
侍女を見やると、微笑みを返される。
「朝晩はこれまで通り神殿におられることが条件です。」
「転移魔方陣を神殿内と学園寮に設置してもらうこととなった。
それを使って通学することになる。」
あれよあれよと話が進んでいく。
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