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そんな事を考えていると、彼女がいそいそと自分の荷物をバッグに詰め始めた。
あぁ、出ていくつもりなのか。
俺はなぜか妙に冷静になっていた。
同棲を初めて三週間、あまりにも短い幸せだった。
また一人ぼっちか……。
これからどうしようかな。
彼女がボソッと言葉を発する。
「今までお世話になりました。さようなら」
俺は何も言えず、玄関の扉が閉まる音をただ聞いていた。
追いかければ良かったんだろうか。
ドラマのように追いかけて抱き締めれば彼女の気が変わってくれたのだろうか。
俺は……動けなかった……。
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