第1章

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風呂場はトイレと一体になったありふれたユニットバス。個人的には体を洗う湯とトイレの水が同じ場所にあるというのは気持ちいいものではないのだが、家賃三万の物件でこれ以上求めるのはさすがに贅沢というものだろう。 「ぅうっ…!」 シャワーのコックを捻った途端、勢いよく飛び出す冷水に思わず私は声を漏らす。今日は給湯器の機嫌が悪いせいか、湯とも水ともとれない生温い液体がこびりつくように体を伝う。なんとも不快だ。これでは汗だくになっているのと一緒じゃないか。 それでも普段の私なら気にすることなくこのシャワーで済ませてしまうだろうけど、今は寝起きで体温が下がっているせいか、体が熱い湯を求めていた。 仕方なく足も延ばせない浴槽にシャワーヘッドを放ると、私は追いだきボタンを押した手で石鹸を掴む。これで身体を洗い終わる頃には熱い湯に在り付けることだろう。
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