第12話

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「あぁー。もうお腹いっぱいです。何も入らない」 「とか言いながら、目の前にケーキがあったら食べちゃうんじゃないですか?」 「あははっ。ですね!きっと食べちゃいます!」 ずっと行ってみたかったというイタリアン居酒屋の前で、満タンになったお腹をさする飯山さんと立ち話をしていた。 彼女の食べっぷりは見ていて気持ちがいいし、絶えることのない会話は楽しい。 時間が過ぎるのはいつも本当にあっという間だった。 「来週はどこに行きましょう?」 グルメサイトで検索しながら次の予定を決めようとする彼女に 「……そうですね」なんて考える素振りをする私。 つい車道に目をやってしまうのは、頼んでもいない迎えの車が来ないか確認してしまう為。
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