夏休みに入って①

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「…ヤちゃ…!」 「ア…しっか…して!」 「…ヤ…ゃん!?」 嗚呼、懐かしい声。わたしは 何処に居たんだっけ?たしか、 えぇと…そう。みんなと一緒に… 「シルベスタ・スタローン!?」 がばっと勢いよく目覚めてしまったが、 どうしてなのかは分からないが、 なんだか目眩がするように頭が クラクラしてしかたがない。 「おぉっ!ようやく起きたようだな」 遊鬼が心配していたかのような目で わたしを見つめている。 やだ。 見つめられると素直に おしゃべり出来ない。 「嗚呼、起きて良かった!」 ウェンディはこのまま死んでしまうのかと、 最悪の事態まで想像していたようだった。 わたしが言うのもアレだけど、 わたしはそんなにか弱くない。 「人騒がせな奴だ」 イラッときたのはナル君の一言だった。 死んでしまう訳ではないが、心配した ならもっと他に気の利いた言葉という モノがあるだろう。 他になんか思い当たる言葉の一つも 無かったのだろうか?と思う。 「アヤちゃん!お手柄だね!」
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