来客者

1/8
前へ
/15ページ
次へ

来客者

嬉しい! あー… やっと着いた。 林スミレは親友の、朝倉陽子と北崎旅館を訪れていた。 二人は高校の時からの同級生で、30代後半。 共に独身で、なかなか良縁に恵まれなかった。 「御利益、あるといいねえ。」 スミレは旅館の前まで来ると、ポケットをまさぐった。 流行りにはついて行けない。 スミレは未だにガラケーを使用していた。 早速手にそれを持つと、旅館の門からパチリ。 玄関をパチリ! くまなく、撮影を始めた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加