序章 高嶺の花ならぬ高台に置かれた花

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「スメラギタワーマンションって・・・あの?」 「学校の窓からも見えるあのでっかいマンションだよね」 「一部屋数億円するってところだよ」 「・・・ってことは姫神さんってすごいお嬢様?」 つい口から出てしまったマンション名に栞里は焦る。 周囲の盛り上がりは想像をはるかに超えている。 「あ、えっと、そんなんじゃないよ  今年の春からだし・・・」 「春からってことは高校通学用?」 「マンションに一人暮らしなの?」 「住む世界が違いすぎるよ」 一言一句が思いとは裏腹にどんどん栞里を追い詰めていく。 そんな気分だった。
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