第二章 期待と重圧

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ホームルームが終わり、何事もなく一限目が終了した。 朝感じた違和感はいったい何だったのだろうか。 栞里はそう思いつつ次の授業の準備をしているときだった。 廊下がものすごい騒がしくうるさい。 「な、なに?」 「んー・・・  きっと今秋から解禁される『あれ』だと思うよ?」 「え?」 麻美は騒ぎの原因がわかっているようだ。 それはいったい何なのか、それを麻美に聞こうとした瞬間だった。 一年一組の教室の前が一瞬にして大勢の人で埋め尽くされた。 そこに表れた多くの人たちは二年生や三年生。 血走った目やまとった雰囲気はどんなホラー映画よりも恐ろしい。 集まった人だかりは我先にと教室内にいる栞里に声をかける。 それは耳を塞ぎたくなるほどの騒音でもあった。
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