第二章 期待と重圧

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「クラブ活動に関する規則  新入生の勧誘は入学二週目の始業後とする  校内での勧誘活動は認可するが教室への侵入は認めない・・・か」 一限目が終わった後の休み時間の騒がしさ。 それもチャイムが鳴って二限目が始まれば一時的に収束する。 しかし二限目が終わればきっとまた同じことが起こるだろう。 与えられた生徒手帳に記された校則。 そこにクラブ勧誘の規則は載っていた。 しかしそのクラブ勧誘を回避する手段は当然記載されていない。 「教室で勧誘を受けるとみんなの迷惑になるよね」 教室に詰めかけてくるのが上級生ということも重要なポイントだ。 新入生の年下がそう簡単に注意して退散させることなどできやしない。 だからと言って休み時間のたびに教室の前に陣取られるわけにはいかない。 これは栞里が招いたこと。 寄って栞里はできる限りクラスメイトへの負担を軽減しようと考える。 「とりあえず・・・次の休み時間は逃げる」 教室の中にいて教室の外に陣取られてしまえば袋小路だ。 ならば先手を打ってこの場を離脱しよう。 栞里はそう考え、授業が終盤に差し掛かると時計を強く気にしだした。
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