第二章 期待と重圧

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昼食が終わっても過ぎには教室に帰らない。 昼休みの終了間際に教室へと帰ることで勧誘の嵐を避けることができる。 さらに五限目が終わった休み時間も素早く逃げ出して保健室に隠れていた。 そしてもう間もなく六限目の授業が終わりを迎える。 休み時間と違って放課後となればタイムアップがないようなもの。 先輩方もクラブ活動を行わなければならないはずだ。 ならばずっと勧誘はしていられない。 けれどもどのクラブがいつ活動しているかはまだ分からない。 新入生である以上情報不足は避けて通れない。 栞里は六限目が終わるギリギリまで考え続けた。 いかにしてクラブの勧誘合戦にみんなを巻き込まないか。 どのようにして先輩方を納得させて引き下がってもらうか。 その考えを巡らせている時、六限目終了のチャイムが鳴り響く。 ホームルームが終われば放課後。 栞里にとって勝負ともいえる時が近づいていた。
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