第二章 期待と重圧

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そして翌日。 クラブ活動にて姫神栞里争奪アピール合戦が開催されることとなった。 ◆陸上部 スタートの合図とともに短距離を駆け抜ける。 「すごい・・・  確か溝口先輩って去年インターハイでベスト16でしたっけ?」 「姫神さん・・・  溝口先輩とほぼ同着だよ」 幼少の頃より体を動かすのが得意な栞里。 単純な短距離走ならば単純な身体能力が発揮しやすい。 その結果が想像以上のタイムを素人が叩き出すという結果になっていた。 ◆サッカー部 争奪戦による接待ということでFWのポジションに割り振られた栞里。 しかしサッカー経験はあまりない。 ボールを持ってもドリブルはうまくないし、シュートも体育の授業程度。 ボールタッチの技術は全く持って皆無なためそれは仕方がなかった。 そのため栞里はボールを持ったとき、特に狙わず思い切りゴールを狙った。 そのシュートはボールの芯を外して当たってゴールの脇へと飛んでいく。 しかしなぜか回転がかかっていたせいかコースが変わる。 そしてゴール上の角ぎりぎりにそのシュートが決まってしまった。 「すごいカーブかかったよ」 「練習してもあんなシュート打てないよ」 適当に蹴ったキックのまぐれ当たり。 まぐれとはいえ栞里はいきなり得点を挙げる活躍を見せてしまう。
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