序章 高嶺の花ならぬ高台に置かれた花

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一か月前・・・ 「あのっ!  私が新入生の総代ってどういうことですか?」 突然かかってきた高校からの電話の内容に慌てふためく。 「えっと姫神さんは入試の成績が一位だったんですよ  新入生の総代は毎年入試の成績が一位の人がしているの  それで総代をお願いする電話なんです」 「そ、そんなはずないですよ  確かに手ごたえはありましたけど・・・」 過去問から適当に山を張って試験に臨んだ。 いい感じの手ごたえがあっての合格通知。 何も問題はないと思っていた。 しかしまさかの出来過ぎという結果が待っていた。 「今回平均点が低かったんです  姫神さんは難問が解けなくても加点対象になるように解いていますね  それと驚きなのは全教科記号問題が全問正解でした」 「・・・え?」 「記号問題全問正解って勉強したのもすごいですけど強運もすごいですね  当校始まって以来の快挙ですよ」 特に勉強したわけではない。 落ちないように加点されそうな答えを考えて書いた。 記号問題は空欄にしないようにした。 栞里がしたのはそれだけだった。 「とにかく新入生の総代お願いしますね  こちらで用意した文言を前に出て読み上げるだけですから」 「は、はぁ・・・」 思わぬ方向に様々なことがとんとん拍子で決まっていった。
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