第二章 期待と重圧

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◆料理研究部 適当に用意された食材をもとに何ができるかを考えて手早く料理を作る。 「次の予定が詰まっているから急がないと・・・」 母親に叩き込まれた料理の腕は決して優れたものではない。 ただこの年代では親に料理を作ってもらうのが当たり前。 その中で普通に料理ができるというだけで栞里は注目の的になっていた。 「あ、先輩  それはもう少し水を切ってください  そちらの方が素材の味がいかせます」 そして今日の課題はたまたま母親に仕込まれたもの。 ただ教えてもらったことをそのまま生かすだけ。 そして予定が詰まっているから手早くスピードを上げて済ませる。 しかしそれが余計に料理上手というイメージを植え付けるのだった。 ◆放送部 学校内での放送の多くを取り仕切る役目も持つクラブ。 マイクを前に滑舌よくはっきりと言葉を発せられるかが重要になる。 「う、うまいね・・・」 「さすが新入生の総代ね」 新入生代表として入学式で一人話すことになったため練習をしていた。 その経験が生きたのか、滑舌も話すスピードも申し分ないという評価を得た。 大会などもあるという説明を受けた。 それにすぐ出られるレベルではないかと、先輩達はひそひそと相談していた。
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