序章 高嶺の花ならぬ高台に置かれた花

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入学式当日早朝・・・ 「ちょ・・・綾姉ちゃん?」 プロのヘアメイクとして働いている親戚の藤川綾乃。 引っ越しで高級マンションと対峙した時の驚きに慣れ始めた頃。 親戚の藤川綾乃が仲間を連れてマンションにやってきた。 「やっほー  高校生の分際でいいマンションに住みやがって  妬ましいぞ、こらぁ」 酒に酔っているのではないかというテンションで栞里に絡んでくる。 「綾姉ちゃん  その人達誰?」 「ん?  ああ、ヘアメイク以外のメンバー  あんたの話したらみんな興味持ってね」 「へ、へぇ・・・」 「じゃあ私たちがこれから全身をフルでコーディネートするから」 「え?  どういうこと?」 「聞いたわよ  新入生代表らしいじゃない  だったら全員の度肝を抜いてやろうって話になったの」 「わ、私の意思は?」 「そんなの無視!」 「はぁ?」 「よーし、じゃあ時間もないし全力でいくぞ!  あんたは元の骨格とかの素材が悪くないから化粧映えするよ」 「そ、そこまでしなくてもいいよ」 「遠慮すんなって  ちゃんと言いつけどおり髪は切らずに伸ばしてたんだ  いい子だね」 藤川綾乃と彼女が連れてきた仲間達はやる気満々。 あれよあれよという間に作り上げられた新しい姫神栞里。 それは雑誌やテレビで見かけても遜色ないものだった。
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