第三章 本当と偽り

5/36
前へ
/136ページ
次へ
ゴールデンウィークに突入して連日休みの日が続く。 この連休を生かして栞里は一度実家に帰ろうと考えていた。 「なんだか・・・  学校生活ってこんなに疲れるものだったのかな?」 姫神栞里が姫神栞里ではなく、しかし姫神栞里ののイメージを持たれている。 その現実が栞里の心身に疲労感を少なからず与えていた。 「これが海崎君の言っていたことなのかな?」 本当の自分を偽って生きることに対するストレス。 大なり小なりみんな何かしらのストレスは抱えて生きるものだ。 だが今はその許容量をオーバーしてしまっている危険な状態かもしれない。 ストレスを感じる原因が他人が思い描く理想の自分。 ゆえに人にもなかなか相談できず、ストレス発散の方法も多くない。 栞里はさらに手紙の返事などで時間が削られている。 そのため自由なリフレッシュのための時間が存在していない。 そういったいくつかの要因が疲れてしまう原因である。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加