第三章 本当と偽り

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「ん?  よぉ、姫神  どこか行くのか?」 スメラギタワーマンションの一階で誠治と遭遇した。 「ちょっと実家の方に帰ろうかなって」 「そうか  それで実家って遠いのか?」 「んー、ここから二時間かからないくらいかな?」 栞里は話の中で実家のだいたいの位置を少しぼやかしながら話す。 「あ、そこ・・・」 「え?」 「明日行くぞ」 「ほんとに?」 「母さんの手伝いだ  事務所に所属しているタレントのテレビ収録があるんだ」 「へぇ、そうなんだ」 「偉いスポンサーの人も見に来るらしいからな  母さんもそのタレントも少し気合入ってるよ  もしかしたら今後CMに起用される話とかになるかもしれないからな」 「すごい話だね」 栞里は誠治と少し話をしてから別れて実家へと帰っていく。 学校に近い場所ではなかなか素の自分に戻ることができない。 実家に帰ることでリフレッシュできればいい。 この帰省にはそういった意味も込められているのだった。
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