2人が本棚に入れています
本棚に追加
/136ページ
「ん?
よぉ、姫神
どこか行くのか?」
スメラギタワーマンションの一階で誠治と遭遇した。
「ちょっと実家の方に帰ろうかなって」
「そうか
それで実家って遠いのか?」
「んー、ここから二時間かからないくらいかな?」
栞里は話の中で実家のだいたいの位置を少しぼやかしながら話す。
「あ、そこ・・・」
「え?」
「明日行くぞ」
「ほんとに?」
「母さんの手伝いだ
事務所に所属しているタレントのテレビ収録があるんだ」
「へぇ、そうなんだ」
「偉いスポンサーの人も見に来るらしいからな
母さんもそのタレントも少し気合入ってるよ
もしかしたら今後CMに起用される話とかになるかもしれないからな」
「すごい話だね」
栞里は誠治と少し話をしてから別れて実家へと帰っていく。
学校に近い場所ではなかなか素の自分に戻ることができない。
実家に帰ることでリフレッシュできればいい。
この帰省にはそういった意味も込められているのだった。
最初のコメントを投稿しよう!