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実家に到着した時の母親の第一声に栞里は目を丸くしていた。
「・・・どちら様ですか?」
「は、はぃ?」
それもからかうような雰囲気はなく、本気でそう言っていた。
栞里は実の母親が見てもわからないくらいに様変わりしていたようだ。
「綾姉ちゃんやりすぎだよ
お母さんがわからないくらいになっちゃうなんて・・・」
「いやー、驚いたわ
まるで別人じゃないの
スタイリストみたいなことをするとは聞いていたけどね
まさかここまでとは思わなかったわ」
一瞬の気まずい雰囲気も親子とわかれば笑い話だ。
「そういえばさっき仲のいい友達と電話してたんだけどね
駅でモデルさんが来てるとか言ってたね」
「ああ、明日この辺りでテレビの収録があるんだって」
「へぇ、そうなの
でもその友達、さっき駅で見たって言ってたの」
「・・・え?
それってまさか・・・」
「あんたのことじゃないの?
小さい時から何度も会ってたのに気づかなかったみたいね」
自分がそんなに変わってしまったのかとついつい鏡を探してしまう栞里だった。
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