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「それであんた、明日はどうするの?」
「明日?
うーん、テレビの収録でも見に行こうかな」
「なに?
芸能界入りでも目指しているの?」
「そんなんじゃないよ
クラスメイトが来るの」
「え?
クラスメイトに芸能人がいるの?」
母親が驚いて栞里に詰め寄ってくる。
「違うよ
クラスメイトのお母さんが芸能事務所の経営をしているの
クラスメイトはそのお手伝いなの」
「なによ
ちょっと期待しちゃったじゃないの」
「・・・勝手に思い込んで勝手にすねないでよ」
高校に入学する前の変わらない日常がここにある。
入学する前の自分はこんな感じだった。
それを思いだすのに母親との会話は実に有効な手段でもあった。
この日はたくさん母親と話をした。
思った以上に心に負荷がかかっていたのかもしれない。
リフレッシュになっているのかどうかはわからない。
だが少なくとも心身の固さが和らいでいる感覚があった。
栞里はそれを求めるようにたくさん母親と言葉を交わす。
たった一か月離れていただけとは思えない会話量。
母親もそれをわかっているのか察しているのか定かではない。
しかし栞里と多くの言葉を交わしてくれるのだった。
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