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あの日の忌まわしい出来事は、今も忘れることができない。
できるはずがない!
僕は、助けてくれた父に、素直に感謝できなかった。
父は、僕のせいで死んだという強い罪悪感があったからだ。
僕は、
「僕なんか、助けてくれなくてもよかったのに!」
といって、よく母を困らせていた。
でも、こんな僕に、母は何も言わなかった。
母は、僕が父のことで苦しんでいることを、理解してくれているようだった。
僕は、自分が言っていることが、素直ではない…ひねくれていることは、よくわかっていた。
でも、こう思わないと、父を亡くしたことが悔しくて悔しくて…たまらなかった。
この日から僕は、川や海が怖くなった…というか、大嫌いになった。
川は、遠くから眺めるだけでも恐怖を感じたが、時間の経過とともに、少しずつ恐怖心は薄らいでいった。
それでも、川辺に足を踏み入れるのは、21歳になった今でも怖かった。
この恐怖心は、時間が経てば、いつかなくなるのであろうか?
僕は、この出来事があって以来、父への気持ちの整理がつかず、苦しむことになった。
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