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「はい!本番行きまーす!
3、2、1スタート!!」
「今が旬な芸能人が、自身のプライベートや芸能界での秘話などを大暴露するこの番組[今旬(いましゅん)]!!本日のゲストはこの人 ー」
軽快な音楽が流れ、本日のゲストとなる人物が登場する。
ゲストの登場とともに抽選で選ばれた観覧のエキストラ達が歓声を上げる。
そのタイミングを見計らって俺はゲストの名前を叫んだ。
俺は幾つもの冠番組を持つ大物司会者だ。
自分で大物と言ってしまう程、俺は司会者として自分の腕に自信がある。
番組進行にあたり、トーク展開や時間配分、ゲストから上手く話を引き出し場を盛り上げる話術など、司会にはただ番組を進行させるだけでなく、様々な役割がある。
頭をフル回転させなければいけないし、センスも問われる。
何より司会者は、番組の顔であり、司会者の能力によって番組の人気が左右されると言っても過言ではない。
したがって責任も重大だ。
番組に呼ばれて話したい事を話したり、台本通りに話せばいいゲスト達の方がよっぽど気楽なもんだ。
それでも俺はこの司会という仕事が好きだし、幾つもの番組を任されている事を誇らしく思う。
先程俺は、自分の腕に自信があると言ったが、それは単なる自信過剰でも自分に酔ってる訳でもない。
某TV局が毎年発表している[人気MCランキング]というのがある。
これは視聴者約1万人にWeb上で投票してもらいランキングにしているのだ。
そのランキングで俺は3年連続1位となっている。
視聴者からは[ジャックナイフのように切れ味抜群なキレ物司会者]
と呼ばれている。
そんな周りの評価が自信に繋がっている。
俺自身ももっと腕を磨こうと常に研究をし、向上させている。
番組司会者とは俺ににとってまさに天職だ。
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