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「……ふぇ?」
地面に黒い束が落ちた。
これ、何……?
ぱさぱさぱさ
確かめる間もなく、次々地面に黒い束が落ちていく。
すると急に肌寒さを感じた。
私は恐る恐る、頭に手を置いてみた。
手の平を通して、まるで大きなひざ小僧を撫でているような、スベスベした感触が伝わる。
「ふぁ……ふあああああああああ!?」
その黒い束は、私の髪だった。
歯が抜けて、まさか髪まで抜けるなんて。
確かに辛い物を食べればハゲるなんて迷信聞いた事あるけど、何も眉毛まで抜けなくていいじゃない。これじゃあ、完全にケンジ君に嫌われる……。
……ううん、大丈夫。
甘い水さえ飲めれば、全て丸く収まる。
きっとケンジ君は、カツラを被った私でも愛してくれるわ!
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