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--ばしゃばしゃばしゃ
跳ねるような水音がハッキリと聴こえる。
すぐに足首辺りに冷たさを感じ、思わず足を上げようとしたが、男にはそれができなかった。
何故なら男の両の足首は、何かで巻かれているのかピッタリとくっつき微動だにもする事ができないのである。
それを解く事も、今の男には難しい。
何故なら男の手首もまた、何かによりガッチリと拘束されひとつになっているからだ。
そんな自身が置かれている状況を、男はその目で見る事はできない。
何故なら男のいる場所は、一筋の光も入らない完全な闇の中だったからである。
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