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自由と光を奪われ、成す術が無い男。どうすればこの状況を覆せるのか考える。
その間に冷たさが膝下にまで達する。水かさが徐々に上昇してきている証拠だ。
たまらず「ひ」と声を漏らし、軽くパニックを引き起こし始めた男は、手首に力を込めた。左手は左方向へ、右手は右方向へ力を入れ両手を引き離そうとするも、ビクともせず。
次に男は、足首に同じように力を込めた。
だがそれが仇となり、男はバランスを崩し後方へと倒れ込む結果に。
バシャンという音とともに、下半身が一気に冷たさに包まれる。
「ひゃっ!」
思わず上げた小さな悲鳴が、周りに反響する。それがきっかけで更にパニックを引き起こした男は、必死に立ち上がろうともがきだす。だが手首と足首を固められている為、なかなか立ち上がる事ができない。
そうこうしている内に水かさは増し、まるで湯舟に浸かっている状態にまで陥った。
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