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「はっ、はっ、はっ」
息苦しさを覚え、呼吸が段々と荒くなっていく。
それを意味するのは、男の周りの酸素が欠乏している証拠。それは同時に、男のいる空間が大した広さを持っていない事をも意味している。
それとは逆に、水は無情にもどんどん男の口腔へ押し迫っていく。
絶体絶命の窮地に立たされた男は、息を止め、体をクルリと反転させた。
そのまま男は体を胎児のように丸め、水の浮力に身を委ねた。
全体がフワリと浮くタイミングを見計らい、男は両足を床に着け、縮めた体を伸ばし、何とか立ち上がる事に成功した。
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