prologue~始まりは突然に

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▼ 気がついたら、森の中にただ1人、ぽつんと立っていた。 どこを見ても、木ばかり。 一本だけ黄色い花が咲いている木もあるけれど。 やはり木だらけ。 ここは森だろうか。 耳を澄ましても風が木の葉を揺らす音しかせず、人が少なくとも近くにはいないことがわかる。 あれ、てか私なんでこんな所にいるんだっけ? 此処に来るまでの経緯がどうしても思い出せない。 「これから、どうしよう」 まわりに人がいないことをいい事に、独り言をブツブツ呟きながら近くをうろちょろ 5分位そうしても、何も起きなかった。 ここにずっと居ても仕方がないから、太陽を背にして歩くことにした。 これに特に意味はないが、強いて言えば日焼けを気にしてかな。 白い肌だけは、私の自慢だしね。 目的地なんてないが、兎に角歩いていればどこか建物のあるところには着くだろう。と、期待も込めた推測からただひたすら歩く。 普段は整備されたコンクリートの上ばかりを歩いているため、 でこぼこな土の上を歩くのに慣れてないせいかすぐに疲れてしまう 日頃の運動不足だな。 思わぬ所で転けないよう、足元を見ながら慎重に歩く。 そこでようやく私は気づいた。 ていうかなんで今まで気づかなかったのか不思議だ 私、裸足なんですけど。 足の裏を覗くと、やはり泥だらけ。 それに加えて格好は、なんと白いロングのワンピース。 なんちゅう格好で森歩いてんのよ、私
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