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ーー 朝倉 実夏 ーー
「泣かないで…」
涙で顔をよごした元は私を抱きよせる
涙は頬をつたい私の顔へ落ちた
「元…ずっと…昔…あなたが…私を助けようと…タケチオと契約をしたとき…
とても…嬉しかった…
あなたは…十分…苦しんだわ…
そしてあなたの…妻になれたこと…
心から…毎日が…幸せだった…
あのときから…ずっと…ずっと…好きでいてくれて…ありがとう…」
元のために死ねるのなら私は本望…
彼は私と娘の桜子のためにもがき苦しんできた
それも…もう…終わる
「さ…桜子を…守って…」
無理矢理笑顔を作り元の手を握りしめゆっくりと意識を手放そうとした…
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