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「やめろ! 突出するな! 向こうは例の新型だ。今のお前じゃぁッ!」
誰かの声が聞こえた気がした。
そう、遠い遠い前に……
聞いた気がした。
……
…………
いつから意識を失っていたのか、視界が真っ黒になっていた。
身体がフワフワしていて、自分がどこに居るのかぼんやりとしてわからない。
いつの間にか、センサーも切れていた。いや、意識がなくなっていたので、パワーがダウンしたのかもしれない。
「……―――っ」
声を発そうとしたが、駄目だった。
人工声帯がだめになっている様だった。自らの身体をスキャンしてみると、あらかたの機能が全て不具合や故障によってダウンしている。まさしくこの場に擱座しているようだった。
バッテリーはまだ生きているため、このまま死ぬことはないだろうが、友軍に見つけて貰えなければ、死が待っているだろう。
通信回路も壊れているらしく、レーダーも使えない。
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