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まさしく、目隠しをされ簀巻きにされて外へ放り出されているようなものだった。
"……―――っ!"
それでも、聴覚部分は生きているようだった。
何かが聞こえてくる。何かが近くで燃えているようだ。
だが、俺は一体なんのためにここにいたのだろうか。俺自身の意識がなくなって結構な時間が経つらしい。日付と最後の記憶をリンクさせていく……
……
…………
………………
……………………ッ!
そして、思い出した。
俺が任務をしくじったこと。
敵の襲撃を食い止めることが出来ずに、砲火にさらされ戦闘不能になったこと。それを悟った。
相棒は……ッ!?
何年も共に戦場を駆け抜けて行っていた相棒だ。
センサーが壊れているため、識別信号も受信不可だった。
無事に彼が逃げ延びてくれればいいが……
思えば、最後に聞いた声は彼のものだった。
"……―――っ!"
「!」
どこからか自然の雑音ではなく、声が聞こえた気がする。
敵か? 味方か?
その判別など分かるわけがない。
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