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「今さら蒸し返すのか?」
「私も興味はあるのよ。だけど、全員揃えて話したいみたい」
月影の乱の発端は武士と忍の分裂であったが、分裂した理由までは語られていない。
「僕も気になるな」
白羽が口を挟む。
月影の乱の真実を知る人間は殆どいない。
「全員揃えてということは他にも誰かいるってことか?」
銀矢は五月からもらった水を飲んだ。
「そこまではおっしゃらなかったわ」
「だけどなんで俺なんだ?」
「気になるなら小雪を連れていくことね」
五月が言うと銀矢は盛大に息を吐いた。
「あいつが、そんなに簡単に靡くようなら苦労はしないよ」
「それは私も手伝うつもりよ。白夜様から月影の乱のことを聞けるだなんて二度と無いことだもの」
「それはそうだけどさ」
「じゃあ話はわかったわね?」
五月は銀矢を見返した。まだしっくりしていない銀矢の目は迷っている。僅かに上の空であった。
「月影の乱か五月殿と出会ったのもその頃であった」
信濃がぶつぶつと過去を話始める。
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