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あの日から僕はおうちのおトイレには入れなくなったんだ。
幼稚園も、レストランも、お習字の先生のお家のおトイレはちっとも平気だ。
おうちでは、どうしても嫌だった。
あんなのおかしいよ。
なんで、ママもパパもおばあちゃんもおじいちゃんも平気なの?
もしかして、僕の目がおかしくなったのかな……。
僕はおしっこはお風呂場でするようになった。
うんちは、おばあちゃんの畑の隅でするんだ。
毎日、お休み以外は幼稚園まで我慢したりした。
僕があんまり恐がるから、ママやおばあちゃんが聞くから言ったよ。
「お水が怖いよ。」
でも、みんなわかってくれないんだ。
もうすぐ夏休み。
どうしよう。おトイレ、いけないよ!
僕はお腹が痛くなって、熱が出て、お医者に連れていかれた。
「便秘ですねー。」
ベンピってなんだろう。
「我慢しちゃダメだよ。恥ずかしがらないで、ちゃんとしないと。いいかい。約束だよ。」
先生がニコニコしながら言った。
コクコクと頷いて僕は先生と指切りした。
また少しして、僕はお医者に運ばれた。
「また我慢しちゃったかなぁ。恥ずかしいのかい?」
僕は首を横に振った。
「ん?どうしたの?」
先生とママが話してる。
「おうちのトイレが怖いのかい?」
僕は小さく頷いた。
「どうしてだい?なにが怖いんだい?先生に教えてくれないか?」
きっと僕しか見えてないんだ。
誰もわかってくれない。
ズボンを握りしめて、泣きそうになった。
「先生がこわくないように一緒に考えたいんだけど、だめかな?コッソリでもいいよ。」
僕は思いきって先生に耳を貸してくださいって言ったんだ。
きっと先生なら……
僕はコッソリ先生に内緒話したんだ。
「僕のおうちのおトイレね。お水が変なんだ。」
「お水が?どうしたんだい?」
「お水がね、青いんだ!」
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