1章

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     一、  王都イストレージャの南東の方角に、 交易都市カレンデュラはある。 星の意味を冠する王都より多くのものが溢れる、 北・東・南をペリル海に囲まれた美しい都市である。 色とりどりの花が咲き誇り、 街を歩く人波は活気に溢れている。 ほぼ全てが白い壁の建物で統一された街並みが眩しい。  そこは交易都市というだけあって、 大陸中の全てが集まっていると言っても過言はなかった。 食べ物はもちろん織物や宝石、 美しい芸術品に人々を楽しませる娯楽。 ありとあらゆる贅沢がそこにあり、 吟遊詩人や旅人達はこぞってこの都市の美しさを唄にして広めた。
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