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「さあ……セカンドステージだ……」
『何が起こってるのでしょうか! 両者共に動きがありません! これは死神の第一段階解放にライトニング兄さんが……あれ? ……あれは!』
実況者が気づくとほぼ同時に観客の目に飛び込んだのはまばゆいばかりの光の渦。
雷を身にまとった人型の稲妻がオレンジ色の大気を吹き飛ばした。
その禍々しい姿を見て観客のボルテージは最高潮まで達した。
『なんと! この大会初のトリプルコストの能力者だああ! 同じ能力を三重に重ねた代償は自我の崩壊! そして溢れんばかりの破壊衝動おお! これでは対戦者が気の毒で仕方が無い!』
「バカが……もう殺しても誰も文句は無いだろ……」
こはくは目を閉じた。
『おおっとお! こはく殿選手! 目を閉じたああ! トリプルコストを前にして勝負を投げたのかああ!』
「……死ね」
こはくが目を開くと、音の無い一撃がライトニング兄さんの左胸を貫いた。
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