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「なあなあこはく殿ー」
まだ幼さの残る女の馴れ馴れしい声がどこにも反響すること無くある青年の耳に届いた。
「なんすか」
いつもの連れと話しているような気ダルそうな口調でその青年は返す。
「ノノとハイツは?」
「あーノノとハイツは周辺調査っすよ」
「ほえー。じゃあこはく殿があそこ行ったらエリピー1人になっちゃうの?」
「そうっすけど別にすぐそこじゃないっすか」
「そこって言ったってめちゃくちゃ広いじゃんか!」
「直ぐ帰ってくるんで大丈夫っすよ」
「むー、本当に直ぐ帰ってきてくれるの?」
「直ぐ片付けてくるっすよ」
「…………怪我しないでね」
「大丈夫っすよ。バカっすか」
「バカじゃないぞっ! ふざけんなよ!」
赤毛の青年は立ち上がり、少女に笑った。
「じゃあ行ってくるんで」
「うん。がんばー」
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