第二

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教室に一人だけ選ばれて残されたのは女子だった。 「ふーぅ。ふーーーぅ。ふーーーーぅ。」 その女子は過呼吸になって深呼吸を荒くして息を吐いていた。それほどに鬼気迫った緊張感だったのだろう。 「あなたが最後。このクラスメート全員の中で唯一、お兄ちゃんの気持ちを理解できそうだと私は感じたから残してあげたけど、私の期待に裏切らないでね。」 「ふーーーぅ。ふーーーーぅ。ふーーーぅ。」 教室の外では39人の選ばれた者たちが入り口の扉を強く叩いて扉を開けてと叫びながら涙を浮かべて少女を見るが少女は不敵な笑みを浮かべるだけで生徒たちの望みに応えることはない。 外に出されたゴロウとモモコだけが他の生徒たちよりも理解したかのように教室から走り去っていた。 「あんな場所にいた方が危ないでござる。さっきのレンドウくんの映像を見て少しはこの教室の外でのことが理解できたでござるよ。」 「ゴロウって頭いいからゴロウについて行けば、うちも助かる確率が上がると思ってついて行ってるけど、勝算はあるの?」 「逃げることはしないでござる。今はこの危険な地帯から何よりも安全な場所を目指しているでござるよ。」
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