第二

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「了解。もしもの時はゴロウの言う通り、見捨てて逃げるから。」 「それでいいでござるよ。」 レンドウの通った昇降口の階段とは反対の階段まで来るとお互いに前後確認したのちに階段をすかさず駆け上がる。だがあともう一歩で四階の廊下に足を踏み入れるところで先ほどのレンドウを引き千切った細長い黒いどす黒い化け物の姿がゴロウの目に入ってきた。すぐに両手を横に伸ばして、後ろにいるモモコを先に行かせないように止めれという合図を出すとモモコの方を振り返り、人差し指で鼻と唇に縦に伸ばして、シーっというポーズを取って相手の動きを再度伺う。 ゴロウは観察するように細長い黒いどす黒い化け物を見ているとスピードはかなり遅いというのが見ていて分かる。そう判断してすぐに行動を切り出す。 「モモコさん、あの化け物は足が遅いと見たのでござる。我が先陣を切って、あの化け物が足が遅いかどうかを確かめるでござる。もしも我の思ってる通りでござるなら追いかけては来れないはずでござるよ。それを確認して続けて、モモコさんも走り抜けてきてほしいでござる。」 「了解。ゴロウ、てか体育の授業の50メートル走でうちよりも足遅いはずだけど、大丈夫?」 「それを言われたら我が先陣を切れないでござるよ。無事にやり遂げてみせるでござる。」
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