第二

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ゴロウは四階に一歩足を踏み込んだ瞬間に自分の出せる全速力で走り出す。それに今だに気づかない細長い黒いどす黒い化け物を見て、行けるという判断で化け物の横を通過しようとした時だった。 ブーーーン! 細長い黒いどす黒い化け物が自分の身長ぐらいのリーチの長い腕をゴロウ目掛けて降ってきたのだ。 「リーチがあったでござるか!?」 そう言いながら化け物から遠のいて行こうとするがリーチがかなり範囲が広く、ゴロウの体を突き刺すように伸びる。 ドスッ! 「ぐっ!!!負けぬでござるよ!」 必死にゴロウが自分の方に突き刺さった細長い化け物の手を退かそうとするが鋭く入ったようで抜けない。 「参ったでござるな。」 そうゴロウは言いながらメガネは汗で曇り、体全身が汗でビッショリになっていることを肌で感じるとすぐに次の手を考えたのか、ゴロウがモモコに叫ぶ。 「モモコさん!我が盾になるでござるから我を見捨てて行くでござる!」 ゴロウは自分自身を捨て駒にして、モモコが生きる道を選択したのだ。 モモコは黙って唇を噛んでゴロウの片手から部室の鍵を受け取り、ゴロウの横を通り過ぎようとすると細長い化け物がもう片方の手でモモコを捕まえようとするがゴロウが盾となって庇う。 「ぐはっ!!!」 ゴロウの叫びにモモコは一度は振り返るもまた走り去る。
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