第二

15/15
前へ
/22ページ
次へ
「ゴロウ、ごめん!」 モモコは前を向いて全速力で走りながらゴロウに大きな声で言った。 「ぐっ、我は女子のためであれば、がはっ、この身を盾にすることも厭わないとござる。」 メガネは汗で曇った状態で細長い化け物がどんな表情をしているかも確認できぬまま、ゴロウは両手を玩具のようにブチブチッと引き千切られて最後の一滴を絞り出して、細長い化け物に「我は簡単には殺られないでござる!」と叫びながら体当たりをしたが効果はなかった。 「無念でござる・・・。」 ブチッ!! レンドウと同様に首と胴体を引き千切られて、ゴロウもまた細長い化け物の餌食となった。 その頃、モモコは女子の中では足の速さは1位2位を争うほどであっという間に四階の西棟と東棟の一本道の渡り廊下までやってきていた。 西棟と東棟の一本道はかなり60メートル以上距離があり離れている。ここの真ん中の位置で挟まれる形であの化け物に遭遇したらもう逃げることもできない。 向こうの東棟にもあの化け物がいるのかどうかも分からないがこの難解をクリアーできたら部室まですぐ近くのはずだと自分自身にモモコは言い聞かせるように深呼吸をして一気に一本道を走り出す。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加