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躰の重心が崩れた。
一瞬、ふわりと浮き上がるような感覚の後、まるで何かに押さえつけられるように頭から真っ逆さまに落ちていく。
その力強さに、地球の重力を初めて実感する。
盛大な水音と共に水飛沫が上がり、全身を打ち付けられ、骨が軋む。
水に投げ出された途端、襲い来る大きな恐怖という魔物。
パニックになりながらも無意識のうちに手足をもがき、上へ上へと上がろうとする生きることに貪欲な身体。
助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けてっっ!!!
たす、けてっ!!たす、けっ、てっ......
タスケ、テ......!!!
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