第1章

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今日も僕はここに来た。 いつもと何も変わらない場所。 いつもの下駄箱。 いつもの教室。 いつものクラスメイト。 少しくらい変化があっても良さそうなのだが、まぁいつもと変わらない。 不満があるわけではない。 ただ、ああ今日も変わらない時間を過ごしていくのだな、と思うだけだ。 劇的なことは起こらないことは僕も気づいている。 みんなも気づいている。 2か月前は違っていた。 劇的なことが起きると信じていた。 ほんとは願っていただけなのかもしれないけど。 みんなも知っておくといい。 高校生になっても日常はそれほど変化しない。 中学生の時と変わりはないのだ。 かわいい子はいるけど、僕みたいなやつと進展はしない。 ドラッグをやっている、みたいな先輩はいるけど、超能力を使える先輩はいない。 何よりも、 僕たちは平凡だ。 それと同時に劇的なことはあるのかもしれない それは、僕が平凡だからだ。 平凡ゆえに劇的なことを感じられる。 僕が劇的なやつだったら、劇的もまた平凡になってしまうだろう。 ただ何度もいうが僕は平凡だ。 劇的なことがそこにあっても、それは僕には起きない。 つまりは何も変らないってことだ。
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