第1章

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間が悪いことに、あの後すぐに教師が教室に来てしまった。 ああ、教師ってほんと空気読まないんだな、と再確認をして、教科書を出すも、あの衝撃的な告白のおかげで、何も話を聞いていなかった。 何かが起きるはず、と思ってしまったのだから仕方ない。 幽霊を見た、だけではなく、バッグに入れてしまった、なんて中々起きることじゃない。むしろ初めて聞いた。 こんなことが身近起きてしまったのだから、授業を聞いていなくても親は許してくれるだろう。 念願の休み時間となる。 10分しかないので、急いでさっきの続きを聞く。 「だから大変だったんだって、もうバッグがびしょびしょに濡れちゃってさ。教科書もだめになってしまった」 ほらっ、と教科書を見せてくれた。確かにインクが滲んでしまっていて見づらくて仕方ない。 が、そんなことはどうでもいい。 「いや、幽霊はどうなったんだよ」 「ん?ああ、そのままだとまた色々濡れちゃうから、水筒の中に入れたよ」 と言いながら、机の横にかかっているバッグをたたいた。 「何それ。てか持ってきているの?」なんなんだ、この話は。幽霊を水筒に入れた?そんなことするなんて、こいつがバカで良かった。 「そりゃ、そうでしょ」 当たり前だろ、というような感じで言っているが、お前以外はそんなのは当たり前ではない。 そんなことを思っていると教師が来る。 次は数学か。
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