第1章

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分かるかと思うが、僕は数学の問題を一問も解かなかった。 解けなかったわけじゃないことを一応伝えよう。 そんなことよりも、右斜め前にある、バッグが気になって仕方なかったのだ。 正確に言えばそのバッグに入っている、水筒だ。 これは見せてくれるのか。 見せてくれるに決まっているよな。 てか開けたら襲ってくるのか。 この教室はどうなるんだろうか。 トイレで捕まえて来たのだから、やはりそれは花子さんだろうか。 いやそれはベタ過ぎるか。 他にどんな幽霊がいたっけ。 などを考えていたら授業が終わった。 時間はそんなに多くない。 これは急いで見せてもらうしかない。 教師が教室を出ていくと、急いで前に座っている山本の肩を叩いた。 「なんだよ」と山本が振り向く。
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