第1章

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振り向いた山本は変貌していた。 なんてことはなく、いつも通りだった。 なんでこんなに普通なんだろうかと、不思議である。 「なぁ、その幽霊」 と話しかけた時だ 「何の話しているの?」 女子バレー部の坂本慶子が話しかけてきた。クラスのムードメーカの一人で山本とは仲が良い。 「実はさっき聞こえてきちゃったんだよね。幽霊がどうとかって」 「い、いやそんな話しは」他のひとを巻き込むわけにはいかない。 「そうなんだよ。幽霊捕まえたんだよ」 「おい」何さらっと言っているんだ。大変なことに巻き込まれるのかもしれないのに。 「おー、捕まえたんだね。で何色だった?」 え?何の話? 「それが赤だったんだよ」 「そっかー。私は青だった。なかなか黄色は現れないね」 あ、なんかのゲームと勘違いしているのか。 「でどこに入れてるの?」 「水筒だ。坂本は?」 「水筒いいねー。私はジップロックの袋だ」 「まじかよ。お前すげーな」 二人は笑っている、楽しそうだ。というかこれはなんの会話だ? 幽霊の話なのか?それとも口を合わせているのか。 一体どういうことだ。何が起きてるんだ。 「おい、いつまで話しているんだ」 後ろから担任の山田に呼ばれた。 そうか次は英語か。 こいつはいつもなぜか後ろから入って来る。
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