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振り向いた山本は変貌していた。
なんてことはなく、いつも通りだった。
なんでこんなに普通なんだろうかと、不思議である。
「なぁ、その幽霊」
と話しかけた時だ
「何の話しているの?」
女子バレー部の坂本慶子が話しかけてきた。クラスのムードメーカの一人で山本とは仲が良い。
「実はさっき聞こえてきちゃったんだよね。幽霊がどうとかって」
「い、いやそんな話しは」他のひとを巻き込むわけにはいかない。
「そうなんだよ。幽霊捕まえたんだよ」
「おい」何さらっと言っているんだ。大変なことに巻き込まれるのかもしれないのに。
「おー、捕まえたんだね。で何色だった?」
え?何の話?
「それが赤だったんだよ」
「そっかー。私は青だった。なかなか黄色は現れないね」
あ、なんかのゲームと勘違いしているのか。
「でどこに入れてるの?」
「水筒だ。坂本は?」
「水筒いいねー。私はジップロックの袋だ」
「まじかよ。お前すげーな」
二人は笑っている、楽しそうだ。というかこれはなんの会話だ?
幽霊の話なのか?それとも口を合わせているのか。
一体どういうことだ。何が起きてるんだ。
「おい、いつまで話しているんだ」
後ろから担任の山田に呼ばれた。
そうか次は英語か。
こいつはいつもなぜか後ろから入って来る。
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