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わざわざもう言う必要もないとは思うが、一応言っておく。
僕は全く授業に参加してなかった。
僕が幽霊なのかもしれない。そんな映画があったはずだ。
授業が終わると担任の山田が近づいてくる。
「で、さっきは何騒いでたんだ」
これはまずい。幽霊で騒いでたなんて担任知られたら色々と怖い。
「あ、俺昨日幽霊捕まえたんすよ」
あっさりと言うか、普通。
「やっとかよ。もう入学して2か月だぞ」
なんだって。何を言っているのだこの教師は。
「で、黄色だったか?」
黄色とはさっきからいったい何だ。てか色に何があるんだ。
「いや、赤でした」
「山本らしいじゃないか」と笑ってる。
いや、だから何?
「先生は何色なんですか」
まさかのここで斎藤沙也加の登場だった。
密かに思いを寄せている黒髪美人の斎藤さん。
え、この会話に自然に入って来るの?
いよいよ頭がおかしくなりそうだ。
「それは秘密だ。」
えー、教えてよ~、と楽しげだ。もちろん俺は楽しくない。
「斎藤はどこに入れているんだ」
「私は混乱してしまい、咄嗟に口の中に入れてしまったんですよ。それからずっと体の中です。失敗しました。」
「おいおい、クレイジー過ぎるだろー」
どんどん人が集まり、盛り上がっている。
「ちょっと待ってくれ」僕は勇気を出して口を開いた。
「それって学校のトイレにいるのか」
「は?」
「どこの何階のトイレなんだ!」
一瞬の静寂のあと、笑い声が教室を響かせた。
「おい、そんなおもしろキャラだったのか!」
「今の最高だな」
一体何が何だかわからないよ。
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