第1章

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わざわざもう言う必要もないとは思うが、一応言っておく。 僕は全く授業に参加してなかった。 僕が幽霊なのかもしれない。そんな映画があったはずだ。 授業が終わると担任の山田が近づいてくる。 「で、さっきは何騒いでたんだ」 これはまずい。幽霊で騒いでたなんて担任知られたら色々と怖い。 「あ、俺昨日幽霊捕まえたんすよ」 あっさりと言うか、普通。 「やっとかよ。もう入学して2か月だぞ」 なんだって。何を言っているのだこの教師は。 「で、黄色だったか?」 黄色とはさっきからいったい何だ。てか色に何があるんだ。 「いや、赤でした」 「山本らしいじゃないか」と笑ってる。 いや、だから何? 「先生は何色なんですか」 まさかのここで斎藤沙也加の登場だった。 密かに思いを寄せている黒髪美人の斎藤さん。 え、この会話に自然に入って来るの? いよいよ頭がおかしくなりそうだ。 「それは秘密だ。」 えー、教えてよ~、と楽しげだ。もちろん俺は楽しくない。 「斎藤はどこに入れているんだ」 「私は混乱してしまい、咄嗟に口の中に入れてしまったんですよ。それからずっと体の中です。失敗しました。」 「おいおい、クレイジー過ぎるだろー」 どんどん人が集まり、盛り上がっている。 「ちょっと待ってくれ」僕は勇気を出して口を開いた。 「それって学校のトイレにいるのか」 「は?」 「どこの何階のトイレなんだ!」 一瞬の静寂のあと、笑い声が教室を響かせた。 「おい、そんなおもしろキャラだったのか!」 「今の最高だな」 一体何が何だかわからないよ。
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