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プロローグ
時空間における生命の存在は限られている。それら生命の姿形も、時空間を構成する物質が同じである限り、大きく変る事はない。
ある惑星の食物連鎖の頂点にヒューマノイドが存在すれば、その惑星が存在する銀河の他の星系においても、ヒューマノイドが食物連鎖の頂点に君臨する可能性が大きい。
つまり、惑星を支配する生命体がヒューマノイドであれば、他の星系の惑星もヒューマノイドが支配していると考えるのが妥当と言える。
しかしながらヒューマノイドと言っても、種までは限定できない。あくまで人型生命体としてのヒューマノイドであり、ヒューマンとは限らない。
仮にヒューマンだとしても、他の星系、あるいは他の銀河や他の時空間からヒューマンが移動したとすれば、それまで惑星に居住しているヒューマノイドが、新参者のヒューマンと共存共栄するとは限らない。
それは、過去の地球における民族間の紛争や、宗教間の紛争、難民と定住民の関係を見れば明らかだ。
ヒューマンは実に好戦的で、かつ、集団武闘力を有する種である。
ヒューマンの大いなる脅威は、その頭脳にある。種として築き上げ、集積した知識を活用し、さらに高度化してゆく知能の持ち主たちが、大いなる脅威なのだ。
ヒューマンはこれら知能の持ち主や知識遺産を使い、惑星上の他種を支配してきた。そして、その脅威は今、宇宙へと拡がりつつある。
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