2、キャサリン

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 2、キャサリン

「オレはデビッド・ダンテ。Dと呼ばれてる。ジェニファーの兄だ」  私と女は、それぞれ海中潜行型シューターに搭乗する。 「ああ、聞いてる。DはJに似てるから、すぐわかったさ」  ここいらの奴は、初対面とは話さないさ。だけど、あんたはJの身内だから、話すんさ・・・。  隣のシューターから、女の思考が伝わってくる。  立場が逆なら私も同じに考える。まわりの奴らが私を不審に感じ、見ようとしない。女のいうとおりだ。 「スコープにターゲットをロックしようと思うな。ターゲットがスコープに移動するのを考えろ。移動を感じたら、撃つ!」  女がシューターから身を乗りだした。私のディスプレイを見ている。  電磁パルス魚雷発射と同時に、スコープにターゲットがロックされ、破壊を待たずに、次のターゲットがディスプレイに現れ、電磁パルス魚雷とともにスコープに飛びこんでいる。  シューターの姿勢制御と、ターゲットロックと、ショットを同時にしてる!DはさすがJの身内だ。Dの機敏なのは血筋か? 「わっ、わかった!」  女は私の説明どおりシューターをコントロールしはじめた。  私はシューターをコントロールし、多重思考で女を見た。 「うまいな。もう三万だ。これは思考制御だ。考えがダイレクトにシューターをコントロールする。これなら、十万を越える。  名前は?」 「Kだ。キャサリン」 「Kは、根っからのファイターだな!」 「このシューターと相性がいいだけさ」 「さっきのシューターは、スペースファイター専用のフライトシミュレーターだ。こいつは海中専用サブマリーナ。滞空ミサイルも使える。  高ポイントをだすと、軍がスカウトに来る。強制的にな」  集団で現れたターゲットに、電磁パルス魚雷と水中ミサイルを放つ。海中はビーム兵器を使えない。代わりにSSW(超衝撃波、Super Shock Wave)が使える。 「ホントか?」  Kがコクピットから私を見つめた。真顔だ。 「ああ、噂は事実だ。実体はわからん」 「脅かすな!十万を超えた。もうやめとく」 「俺もだ。飯でも食おう。おごるよ。ジェニファーの話を聞かせてくれ」 「ああ、いいよ。あんたに借りができたな」 「五百ガルは情報料だ。安いが、価値はプラチナだ」  私はディスプレイの隅から弾きだされたプラチナカードを取り、コクピットを出た。
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