0.悪夢の終わり

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「冬場は時間がかかったから夏場にしてみたが…もう少し室内温度を管理するべきだったか…。それとも、ある程度は水を取り替えたりした方が良かったのか…いずれにしろ、次はもっと考える必要があるな…」 な、なにを言っているんだ? 冬場は時間がかかった? 今回が初めてのことじゃないのか? これまでにも同じ観察をしていたとでもいうのか…? それに、“次”ってなんだ? 「あ、あの……」 「ん? ああ、すまない、報酬な」 考えに耽っていた男が、左口端をヒクつかせたように笑うと、俺を足先から目線まで、舐め回すような目で見た。 「そのびしょびしょの服を着るのが嫌だったら、裸のままでいい。ついてこい」 「…は? 替えの服は用意してくれてないのかよ」
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