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「……別の部屋に用意してある。いいからついてこい」
一番最初に見た、水槽に沈んでいた死体男の血走った目より、よほど冷たい目をイスミに向けられると、水を浴びて冷えていた体中の毛穴から汗が噴き出してくるような緊張が走った。
重たいドアが開き、ドアの向こうで男が笑みを隠すように口をヒクつかせている。
「ほ、本当に…帰れるんだよな?」
「ああ、最初からそういう契約だったはずだ。安心しろ、約束は守る」
ゴクリ。
ようやくここから解放される…!
そう思うと、自然と笑みが溢れてくる。
ビチャッ。
持っていたびしょ濡れの服を床に落として、歩を進める。
部屋から一歩出て、男の横まで進んだ瞬間に、耳元でボソッと声がした。
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